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利益を上げ続ける〜弱者が勝つ戦略事例〜

  • 執筆者の写真: コバヤシ
    コバヤシ
  • 2023年9月15日
  • 読了時間: 9分

「利益を上げ続けること」

「弱小企業が勝つ戦略」


について聴きたいというお声を、お二人の経営者からいただきました。

 

 

そちらについて少しだけ触れたいと思います。

 

少し長くなりますが、

ご興味のある方はお付き合いください。

 

 

 

まず「利益を上げ続ける」についてですが、

一体「利益を上げ続ける」というのはどういうことでしょうか?

 

 

そもそも利益を上げ続けるためには、

お客様・社会から必要とされ、求められるものを提供しなければ、利益は上がらず存続も出来ません。

 

 

という事は、

 

企業の大小関わらず、これからの企業として生き残っていくためには、

当然のことながら資本のある企業でもなく、規模の大きい企業、有名な企業でもありません。

 

 

社会・お客様に価値を感じてもらえるものを提供し続けなければ生き残れないので、

常にアンテナを張っては変化に対応し、進化し続ける企業でないと消えていくということです。

 

 

「変化に対応し、進化し続ける努力をしている企業が生き残る」


と思っています。

 

 

ただしここでハマりやすいのが、

「時代に合ったサービスを提供していれば利益を上げ続けられるわけではない」ということ。

 

 

なぜなら、「儲かるビジネス」というのは、

真似をする同業者が現れたり、一気に新規参入する企業が増えるからです。

 

 

そりゃあそうですよね?

 

「あのビジネスは儲かるらしいぞ!」となると、こぞって色んな企業が参入してきます。

 

 

そうなると当然競合が増えるわけなので、自社のお客様は減り、価格競争に陥りやすくなります。

 

一時的に儲かっても、競合が増えると価格競争になり、次第に儲からなくなってきます。

 

 

しかし、その競争(価格)で勝つためにはマーケットシェア(市場占有率)を奪わなければ勝てません。

 

 

どのマーケットを狙うかでも変わってきますが、大体はそう(価格)です。

 

 

あるマーケットで、圧倒的なシェアを誇る企業が思いっきり値下げをしてきたら、

シェアの小さな中小零細企業は太刀打ち出来ないですよね。

 

 

価格で勝負できるのは圧倒的シェアを誇る企業のみができる戦い方で、僕たちのような企業がやると死にます。

 

 

 

これに気づいたキッカケ、弊社を例にお話させていただきますね。

 

 

弊社が運営するフロンティアコバヤシが、

11〜12年前に「プジョー専門店」へと舵を切ったのも、生き残っていくために「ニッチ市場で突き抜ける」を掲げました。

 

 

当時、プジョーどころか、フランス車を扱っている店舗は、大阪圏内でも他に2社のみ。

 

その内の1社はどちらかといえばルノーがメインで、もう1社は元プジョー専門であり、並行輸入車やチューニング&メンテナンスをメインとされている店舗さんでした。

 

 

なので、プジョーを専門としてノーマルのまま販売し、定期メンテナンスを条件に販売するのは自社だけでした。

 

ノーマルのプジョー206を何台も保有しているのは、当時大阪でも自社だけで競合がいなかったんです。

 

そうした事によって、売り上げが前年対比120〜200%と右肩上がりで伸びていきました。

 

 

しかしある時期を境に、気がつけばプジョーを保有する店舗が関西圏にどんどん増えてきて、

車を見に来られた方から、「〇〇店の206かコッチか悩んでんねん。」といった声を聞くことが増えました。

(競合が増えるとオークションの相場も上がるので、オークション仕入れで販売する場合の利益率は下がります。)

 

 

他店とのさらなる差別化を図るために、

2年間保証と下取り優遇保証を標準パッケージとして他店と販売価格を同等にして販売するようにしました。

 

 

すると、これまた黙っていても面白いくらい車が売れました。

 

 

なぜなら輸入車を乗られるお客様は、

 

「故障が不安」

「維持費が高くつくのでは・・」

「買うときは高いけど、売るときは二束三文」

 

といったことが、購入に踏み切れない大きな理由だったからに他なりません。

 

そこをカバーするための保証をつけたことで、他店と差別化しました。

 

 

おかげでお客様も増え、お客様と関わる頻度も増え、創業から6〜7年目で売り上げは10倍以上に伸びました。

 

 

 

しかし、この時すっごく大きな落とし穴にハマっていたんです。

 

 

お客様が増え、お客様のお来店頻度も増え、売上げが伸びているにも関わらず、

利益率は一定かもしくは下がる時もあり、まさに「忙しいだけで儲からない状態」になっていました。

 

 

深夜残業なんて当たり前のようになってしまっていましたし、

週末は20組近いお客様来店になってしまっていたので、

新しく人を雇い、沢山在庫を仕入れました。

忙しいから心身とも疲れて余裕もなくなり、クレームに繋がることも多かったんです。

 

 

以前からご覧くださっている方はお気づきだと思いますが、

それがまさに7年ほど前までのフロンティア・コバヤシでした。

 

 

そこで、何が原因なのかを自分なりに冷静に考えてみました。

 

 

仕事を回転させるために新しく人を雇い入れるも、広告費がバカにならず、即戦力にはならないため、その人の指導が必要となり、その間出来る人の手は止まる訳だから当然生産性は落ちます。

 


また、新しく人を雇用したことによって、その人が戦力になるまでは在庫を仕入れて販売したり、代車を増やして車検件数を増やす事で利益を上げようとするも、在庫や代車を置くスペースが必要になり、新たに場所を借りるようになります。また、それだけ自社を知ってもらうための広告費が必要でした。

 

 

 

つまり、お客様が増えて、頻度が増える分、人を雇用し、在庫も代車も置き場も必要になり、広告費も掛かるので利益率はどんどん下がっていくといった負のループに陥っていることに気がつきました。

 

 

その少し前にチャレンジしてみたことが、

「プジョー106で突き抜ける」です。

 

 

プジョー106が数年前から一気に値上がりしたのは、106好きの方ならお分かりだと思います。

 

 

実は、その相場を作ったのは何を隠そうフロンティアコバヤシなのです。

 

 

全国のオークション会場に出てきた106で良いものは全て押し切り、どれだけ高値でも買い漁りました。

 

岡山や名古屋、東京への出張買取査定もガンガンいき、同業他社様からも買取させていただきました。

 

その甲斐あって、プジョー106が常時店頭に10台以上あり、パーツ取りとしてもストックを何台も置いていましたので、パーツの供給が減っている中でパーツも保有していました。さらに故障箇所に関しても詳しくなるので、納車前整備では壊れていなくても予防整備として先に対策をしていたので、「プジョー106と言えばフロンティア・コバヤシ」というイメージ戦略に成功しました。

 

 

おかげでTipoさんからご連絡いただき、雑誌に取り上げられました。

 

 

これは本当に1つの事例ですが、

プジョー106というニッチ市場では全国No.1のシェアを持っていたので、価格はウチが操作できました。

 

 

うちより安いところがあっても、

「あそこは安いけど専門じゃないし。。」となり、安心やクオリティを求められる方は、

「106なら高くても専門店の方が安心だ」となる訳です。

 

 

しかし、106という車はもうなくなっていく車。

そこに甘えていては先はありません。

 

その危機感と、忙し過ぎて疲弊していた時期がほぼ同時期。


その翌年に、原点回帰を掲げ、車屋としてのやり方と在り方を変えていくことにしました。

 

 

 

ここまでの話の中で既に、

 

「利益を上げ続けること」

「弱小企業が勝つ戦略」

 

について触れていますが、

 

上記の内容を理解する上で、おさえておくべき点を僕は誤っていたので、

僕自身失敗した学びから、おさえておくべき点について簡単にご紹介させてください。

 

 

当時は、

 

・認知度を上げる

・顧客数を増やす(新規客開拓)

・顧客との接触頻度を増やす(信頼関係の構築)

・購入頻度を増やす(オイル交換等でお越しいただく)

・安価(安売り)で安心(保証)を提供することでお得感を感じてもらう(次回のお乗換えにつなげる)

 

 

といったことが重要だと思っていました。

何なら、上記の上から下への順番が優先順位だと思っていました。

 

 

しかし、疲弊したことによって、逆のことをやっていたことに気づいたんです。

 

 

もちろん全てが間違っていた訳ではないと思っていますが、自分たちのような小売やサービス業で、特に中小零細企業や個人の場合は、

 

・認知度を上げる(知ってもらわないと始まりません)

・客単価を上げる(自社にしかにサービスの質を高め利益率の高い商品を販売・お客様を選ぶ)

・顧客との接触頻度(信頼関係の構築)

・顧客数を増やす(紹介だけでは限界があるので、SNSやブログなどの広告を有効活用する)

 

 

といった内容と順番がとても重要だと思っています。

 

 

単なるボッタクリは論外ですが、

利益率の高い商品やサービスを提供できなければ、結局は自分たちやお客様も幸せになれないので。

 

時間や心に余裕がない中でいい仕事なんて出来ないですから。

 

 

「〇〇さんに任せるよ!」と言っていただき、

それだけのお金をお支払いいただくのであれば、

その期待値を超えるくらいの価値を感じていただけるよう相手の立場になって考え、提供する。

 

 

それが薄利だと、いずれ絶対にできなくなります。

 

 

だからしっかりと利益はいただく。

 

 

そこをお客様にご納得いただける方にだけきてもらえればいい。


その分、自分たちの質を高め続けることが最低条件ですが。

 

 

事実、今はそうした考え方をご納得くださっているお客様だけお越しくださっており、安さを求めるだけの人は居なくなりました。

 

来なくなったお客様には申し訳ないけど、ラッキーです。

 

 

なぜなら、自分たちが本当に応えたい人(お客様)に集中出来る時間が増えたことと、万が一の時でも対応出来るようになったので。

 

 

おかげでここ5年間の車輌販売のお客様リピート率は、87%です。

既存顧客様への販売が87%で、13%は新規のお客様です。

 

8割以上のお客様に支えられているので、新規開拓にそこまで力を入れる必要がありません。


もちろん顧客様に甘えていてはダメなので、新規の方はメンテナンスでの集客となります。

 

 6〜7年前と比較して、販売台数は少ないものの利益率は上がっており、

リピート率も増えているので、一人ひとりに余裕をもった対応と店舗運営が出来ております。

 

 

コレは、いつも支えてくださっている顧客様に感謝しかありません。

 


 

誰もが出来ること、または競合がたくさんある仕事の価値(単価)は低いです。


サービスや技術・価格のどれかで多少差を付けることは可能ですが、突き抜けることは出来ません。

(一人営業のお店ならそれで十分だと思いますが。)

 

 

逆に誰もがしていないこと、嫌がること、誰にも真似出来ない仕事には価値があるので単価は高いです。

 

 

 

話が少し脱線しましたが、

 

弱者が勝つ戦略でいうと、色んな切り口があり、とても面白いです。



そのキッカケとなるのが、


"輸入車整備"なんです。



輸入車整備をやることで、


・利益率が大幅に上がる

・質の高いお客様に恵まれる

・リピート率が高い

・数をこなさなくてもしっかりと利益が残る

・価格競争に陥りにくい

・お客様を選べる

・オリジナリティを出しやすい

・ランチェスター戦略との相性が抜群に良い(多角化しやすい)



と、可能性がものすごく広がります。



輸入車整備のハードルが高く感じられる場合は、

輸入車の車検から始められることをオススメします。


是非この機会に輸入車を通じて、

自社での新たな打ち手を考えてみてください。


 
 
 

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